博物館を中心に緑に囲まれた万博公園

2014年06月24日

 万博公園とは日本万国博覧会の跡地を整備してできた公園の通称である。総敷地面積は264ヘクタールで、阪神甲子園球場と比較すると約65倍の広さに値する。現在はさまざまな展示物や広場の開放、イベントが催されている。この中でも、より多くの人が来場するのは自然文化園、緑地広場、国立民族学博物館、日本庭園だ。

 自然文化園の見どころのひとつは万博のシンボルである太陽の塔である。万博公園の象徴として、太陽の塔をバックに記念撮影を行う人が多い。現在は中に入ることはできない。他には茶摘みの里と呼ばれる茶畑もあり、毎年八十八夜(5月)の前後には、お茶つみ大会が開催されている。そこから少し、万博の奥に行くと、花の丘と呼ばれる地帯がある。この地帯は花で埋め尽くされていて、季節ごとに見ることのできる花の風景が変わる。春はポピー、菜の花、カモミールが、秋にはコスモスがみることができる。コスモスフェスタは中でも多くの人が来場するイベントで、約30万本ものコスモスが花の丘一面に咲く。


↑花の丘(写真は、一枚目が菜の花、二枚目がポピー)
紅葉まつりのときは、単に紅葉を鑑賞できるだけでなく、期間中茶室「汎庵・万里庵」の公開や、草月流作品の展示や菊科総合花壇の展示などが同時並行で行われる。

 緑地広場は、5,400平方メートルから9,900平方メートルまで7区画の広さの芝生会場を貸し出ししており、料金を払えば、整備された天然の芝生で運動会等のレクリエーションを行う事ができる。いままでには、トランポリンや、凧揚げ大会や、スポーツ大会などが行われることがあった。

 国立民族学博物館は、通称「みんぱく」と呼ばれている。この施設は、世界中の民族の社会や文化についての資料や文献を公開することで、人々が諸民族に関する理解と認識を深めることができるように、という意図のもと1974年(昭和49年)に創設され、1977年(昭和52年)11月に開館した施設である。これらの資料や文献などは、「みんぱく」の、民俗学や文化人類学の研究・調査によって収集されたものであり、その成果に基づいた展示を行っている。
本館で行われている展示は、オセアニア、アメリカ、ヨーロッパ、アフリカ、西アジア、南アジア、東南アジア、中央・北アジア、東アジアと、全世界中の諸民族に関する展示を行っている。具体的には歴史的遺物や、音楽、言語を展示している。施設内にあるビデオテークという機械を使えば、世界の人びとがどういう生活をしているのか、どのような技術を使っているのか、などを記録したビデオ番組を見ることができる。中では、各国をモチーフとしたお土産なども売っており、その国の文化を擬似的に体感することができる。

 日本庭園は、日本万国博覧会に政府出展施設として、日本の造園技術の粋を集めて造られた名園である。博覧会当時は、太陽の塔などに現れる科学技術の進歩と対比して、来場した人々に緑の多い自然あふれる日本の古き良き趣のある憩いの場を提供する役割を果たしていた。 日本庭園は、西から東に向かって上代、中世、近世、現代へと庭園の様式が移り変わるような設計となっている。庭園の水の流れも西から東へと向かっていて、水の流れを時の流れと見立て、時の流れとともに人類がどのように進歩してきたのか、というメッセージを含んだ設計である。


↑日本庭園

 公園万博には太陽の塔に加えて、自然文化園や日本庭園、緑地広場などもあり、さまざまな楽しみ方ができる。上には述べていないが、万博公園内には他にも、サイクルボート、EXPO’70パビリオン、温泉、アスレチックなどの施設もあり、さまざまな楽しみ方ができる公園なのである。



万博公園の紹介動画


地図はこちら



1991年の万博公園の空中写真


2007年の万博公園の空中写真

※国土地理院の基盤地図情報を使った。

都市計画

吹田市都市計画図



吹田市マスタープラン
  


Posted by さわむ at 13:38Comments(0)観光地